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個別サポート付き障がい者向け住宅という選択

個別サポート付き障がい者向け住宅という選択

紀 林(きのはやし) 著

定価: 1,700円+税
発行: 2023年9月1日
ISBN: ISBN978-4-8014-8353-8
体裁: 四六判

 日本には約970万人の障がい者がおり、そのうちの多くの人が親御さんと同居しています。そして、近い将来、80代の親御さんが50代の子どもさんの面倒を見る「8050問題」、親御さんが亡くなると子どもさんが住まいや生活の術を失ってしまう「親亡きあと」に陥る可能性が高いといわれています。

 国はこの社会課題解決のため、障がいのある人が自分で選んだ地域で、必要な支援を受けながら、自立して暮らすことができるような社会をつくろうとしています。障がい者グループホームはその中心となる障害福祉サービスです。しかし、法律で定めているのは必要最低限の要件や運営規則だけなので、グループホームの支援サービスの質は様々です。

 本書は、障がいの程度にかかわらず、当事者が住まいや暮らし方を自由に選び、ご本人もご家族も安心して暮らすことができるグループホームとはどのようなものなのか、そのしくみや運営方法を詳しく解き明かすとともに、最も重要な事業者のマインドのあり方についても言及しています。

住まいや暮らしに困りごとのある障がい者ご本人やご家族、障害福祉にかかわるすべての方、必読の内容です。

【コンテンツ】

<目次> 1章 サービス業の当たり前を福祉事業に生かす
・1 利用者さんを、そのまま受け入れる
・2 障がい者グループホームを利用するには
・3 サービス業としての視点をグループホーム事業に生かす
・4 どうしたら一人ひとりの望む暮らしを素早く支援できるか
・5 できることが増え、小さな自信が積み重なっていく

2章 現場を支え合う人としくみのつくり方
・1 「少しの力」を結集して、質の高い支援体制をつくる
・2 もっと暮らしやすくするために現場のアイデアを取り入れる
・3 利用者さんと支援スタッフの間には「距離感」が必要
・4 働きながら成長し、現場の支援力を高める
・5 公式LINEで困りごとはいつでも伝えられる

3章「8050問題」「親亡きあと」の受け皿になる
・1「30年ぶりにゆっくり眠れる」ということばの重み
・2「子どもが家から出たがらない」をどう解決するか
・3 事業への向き合い方を変えた家族会との出会い
・4 20代、30代のグループホーム支援の未来像
・5 事業を続けて、残していくことへの責任

4章 つながり、支え合う地域に変えていくには
・1 事業をスタートさせると協力者が増えていった
・2 障がい者が地域で暮らすことを、当たり前にするために
・3 地域に支えられながら、地域の社会課題を解決する
・4 社会復帰を支える受け皿になることも
・5 地域に気づきの連鎖を起こす

<コラム> ・1 管理優先ではない、自由のある暮らし
・2 利用者さんの生の声をお聞きしました
・3 親もほっとできるしくみがあることを知ってほしい
・4 孤立から抜け出して、なるべく多くの社会資源とつながる
・5 住まいの選択肢が増えるアパートタイプのグループホーム
・6 スタッフもすごいけれど、利用者さんはもっとすごい!

著者について

【著者紹介】

紀 林(きのはやし)
 1976年生まれ 沖縄県出身 会社勤めの傍ら、2018年にKINOPPI株式会社を設立。“障がいがあっても 住まいを選べる 世の中をつくる”という理念のもと、障がい福祉未経験ながら、茨城県牛久市に最初の障がい者グループホームを開業する。

 後の障がい者家族会との出会いをきっかけに、従来のグループホームの食事と寝床の確保、家事支援だけという事業モデルでは充分ではなく、障がい者それぞれの望む暮らしの選択肢を広げ、また、いちばんの支援者である家族の生活に深く内包された「8050問題」や「親亡きあと」の解決にも配慮した、包括的な支援体制の必要性に気づく。

 障がい者家族と一緒に、地域全体で障がい者の生活を支えていけるしくみづくりに向け、グループホームをプラットフォームとした地域住民の福祉参加の促進に注力する。また、「個別サポート付き障がい者向け住宅(サポ住Ⓡ)という「障がい者の地域生活移行モデル」の普及に努めることで、高齢者の社会参加(就労)の機会創出や、空き家となっている既存住宅のリサイクルなど、様々な地域活性化の効果を提唱し、全国で新たに障がい者を支える役割を担う社会起業家・事業者の育成にも積極的に取り組んでいる。

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