本作りの現場から

Stuff Blog

本作りのこと、あんなこと、こんなこと、うら話しなど

2021.06.23

出版企画書の書き方

仕事柄、出版の相談を受けることが多いです。また弊社には、出版企画書もたびたび送られてきます。内容は様々ですが、素晴らしいものを持っている著者の方たちは多いです。
でもそこで、誰に何を書きたいか、俯瞰してみてほしいのです。そのユニークなメソッドは、どれくらいの方が必要としているでしょう。また、対象者の人口や年齢層は広いでしょうか。

例えば、「耳つぼダイエット」と「3歳児のための歯みがきの本」どちらが商業出版として採用されそうでしょうか。
「耳つぼダイエット」の読者対象になりそうな層は18歳〜64歳(またはそれ以上)とすると、人口は7443万7千人です。(総務省統計局による)一方、3歳児の親の人口は41万人。これらの人口の0.5%が読者になるとして、「耳つぼダイエット」は約37万人、「3歳児のための歯みがきの本」はわずか2050人です。
書籍はマスメディアの媒体です。読者人口が少なければ、企画書を書いても、商業出版では採用される率は低くなります。

では、出版したい内容で見てみましょう。例えばある著者が本にしたい内容は、確かに、いままでにないサービスやメソッドや商品かもしれません。ですがそれが、よいところばかりを書いた広告になっていないでしょうか。書籍はパンフレットとは違います。読者がお金を出して買う物です。筆者に読者目線がないと、全ページ著者のコマーシャルになってしまいます。それは自ずと売れず、倉庫には返品の山となってしまうのです。本は読まれなければ、影響力は発揮できないのです。
こんなふうに考えると、採用される企画書のイメージが沸いてくると思います。是非、本の先にある読者になったつもりで、企画書を書いてみてください。

本作りの現場から 一覧に戻る

ページの先頭へ